先日、夫の夢を叶えるために家族で福岡旅行へ行ってきました。

ひとり息子が福岡の大学に通っており、いま4年生。息子の誕生日祝いを兼ねて、福岡で家族集合した次第です。

夫は5年前に脳出血を患い、右半身に麻痺が残っています。そのため、どこかへ出かけるときはいつも不安や心配がつきまといます。

でも今回、

夫の「息子が通う大学を見てみたい」「息子の住んでいる部屋や町を見てみたい」という夢をどうしても叶たくて、説得を重ねて旅行を決行しました。

夫は「どうせ無理だろう」と半ば諦めかけていました。

息子のアパートは2階、階段はどうするのか。車椅子で移動するにはバリアフリーの環境が整っているのか。夕食のお店やホテル、さらには船の設備まで、心配は尽きませんでした。

でも、「やってみなくちゃわからない」と言い聞かせ、徹底的に下調べをしました。

 

 

綿密な準備と驚きの連続

出発前、私は各所に電話をかけ、バリアフリー対応を確認しました。結果、驚くほどスムーズな旅が実現しました。

•船: 車椅子ごとエレベーターで乗降可能。トイレもバリアフリー仕様で快適。帰りの船では車椅子専用室が用意されており、広々と過ごすことができました。

•ホテル: 完全なバリアフリー設計で、夫も安心して過ごせました。

•サイゼリア: 席を広めに取ってもらい、周囲を気にせず食事ができました。

•焼肉店: 予約した個室だけでなく、他のお客さんの中にも普通に車椅子の方がいて、夫の「迷惑をかけているのでは」という不安を和らげてくれました。

そして、最大の心配だった息子のアパートの階段も、夫は予想以上に楽々と登れたのです。息子の住む部屋にたどり着き、「こんなところで頑張っているんだな」としみじみする夫の姿を見て、私も胸が熱くなりました。

 

世界は思ったより優しい

今回の旅で、私たちは多くの人の優しさに触れました。

船のスタッフ、ホテルやレストランの従業員の皆さん、そして道行く人たち。どこに行っても自然体で接してもらい、「特別扱い」というよりは「当たり前」のように気遣ってもらえました。それは夫にとっても大きな気づきだったようで、「人に迷惑をかける」という思い込みが少しずつ解けていくのがわかりました。

夫が見たかった息子の大学、住んでいる町、アパートの部屋。そのすべてを見ることができただけでなく、「世の中は思った以上に優しい場所だ」と心から感じられる旅になりました。

「どうせ無理だろう」と諦めていたことも、少しの工夫や助けがあれば実現できる。今回の旅を通じて、私たちはそんな大切なことを学びました。

これからも、夫の「やりたい」を支えながら、この優しい世界をもっと楽しんでいきたいと思います。

あなたの「やりたい」は

必ず叶えられます

この世の中はあなたが思っている以上に優しいです